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棟板金(むねばんきん)交換工事

目次

棟とは別角度の屋根面同士がぶつかるラインにできる山部分のことです。この部分は雨水が浸入しやすいため、板金屋根では棟を作る工事でこの部分をカバーしています。棟下地(むねしたじ)とよばれる木材の下地材を2本通し、角度に合わせて「へ」の字型に加工した板金を被せます。
棟と屋根面との隙間から浸入するケースが多く、釘やビスの錆、下地の腐食が起こり、メンテナンスで棟を交換することがあります。台風や強風時には飛散しやすい部分です。

 

棟板金(むねばんきん)交換工事の費用について(相場など)

 

棟板金の交換工事には棟の種類や工法や材料などでパターンがありますが、ケース別でその費用感について解説します。

切妻屋根の場合

もっともシンプルな形の切妻屋根のケースでは、棟板金は主棟のみになります。
新しく主棟を交換する場合、材料は、

● ガルバリウム鋼板
● 銅板

の大きく2つがあります。
仮に一般的な木造住宅として、建物の坪数としては30坪台(90から110㎡程度)、屋根面積は20坪台、60から70㎡程度とします。平均的な費用としては、

● ガルバリウム鋼板・・・10万から20万
● 銅板・・・15万から25万

内訳としては、材料費と作業費以外には、既存の棟板金の解体撤去、下地の設置があります。足場が必要な場合にはこれに加わります。

寄棟屋根の場合

寄棟屋根の場合、主棟は短くなりますが四隅に向かって隅棟が伸びますので、トータルの棟の長さは長くなります。隅棟の先端は、屋根の軒の形に合わせて90度に加工が必要です。
この場合の平均的な費用は、

● ガルバリウム鋼板・・・15万から30万
● 銅板・・・20万から35万

となります。

 

棟板金(むねばんきん)交換工事にかかる日数(工期)

 

棟板金の交換工事にかかる日数は、共に1日から3日程度の作業日数がかかります。寄棟タイプの屋根の方が作業量が増えるため1日多く日数がかかる傾向があります。
少量であれば1日で既存の棟を解体撤去し、新設の棟まで終わらせることが可能です。
あとは棟の長さなどにより工期が決まります。
また、天候に左右されます。雨天時には原則作業できませんので、そのぶん工期は延長する可能性があります。

 

棟板金(むねばんきん)交換工事時に心配な点(追加費用・天気)

 

棟板金(むねばんきん)交換工事を依頼して工事してもらう際のトラブルが気になるところです。心配な点をまとめました。

既存の屋根材との相性

既存の屋根材が金属系の屋根の場合、ガルバリウム鋼板で棟板金を取り付けるケースが多いのですが、色や形などを併せる必要があります。色はまったく同じものにはできませんが、近い塗装を選択しましょう。形はなるべく高さを抑えてシンプルな形状にすることが無難です。
また、違う種類の金属を使用する場合は念のため電蝕に注意が必要です。電蝕というのは金属同士が接触することで反応して腐食する現象です。やむを得ず使用する場合はシートで絶縁するなどの処置が必要です。
特に銅板は電蝕が起こりやすく、銅板同士なら問題ありませんが、屋根が銅板の場合は材料費が高くても銅板の棟板金で収めるのが原則です。

追加費用はかかる?

屋根関係の工事では、下地などの目に見えない部分は、工事が始まってみないとわからない箇所があります。
しかし棟板金の工事の際は、最低でも棟の下地材は交換するつもりで見積もっておきましょう。
特に主棟は屋根の一番高いところにあり、目視で確認することは困難です。
最近ではドローンを飛ばして至近距離から細部の映像や画像を撮ることで現状の屋根の状態や傷み具合の確認をする施工業者も増えています。
屋根面の下地まではわかりませんが、もし棟板金の交換のために棟を解体撤去してみた際に屋根のほうまで不具合が発見されれば、それは追加というよりまた別の工事の検討が必要になります。

天気は大丈夫か

屋根に関する工事では、天気は作業を左右する重要なタイミングになります。もし雨が降る前日に棟を解体してしまえば、屋内への雨漏りのリスクはあがります。
とはいえ棟板金の交換は短期間ですし、施工中の養生も比較的容易ですので、心配はありません。
天気に関しては業者も慣れていますので、数日程度の晴れが続く日程に合わせて工程を組むのが通常です。

 

棟板金(むねばんきん)交換工事時に足場は必要か?(部分足場で対応可能かなど)

 

足場が必要かどうかは、現場の条件や工事内容によります。棟板金の交換工事では、工事の範囲と屋根の勾配がポイントになります。寄棟の屋根で工事が主棟のみのケース、または屋根の勾配が緩いケースでは、足場の必要がないこともあります。

足場が必要なケースであっても、建物をぐるっと囲むような全面的な足場が必要になることはほとんどありません。
ほとんどの場合は部分的な足場で対応が可能です。

勾配が強い屋根でも、屋根足場が必要になることは少なく、棟へ登るまでの梯子を渡せれば問題ないこともあります。

 

棟板金(むねばんきん)交換工事後のチェックポイント(保証)

 

棟板金の交換工事が終わったら、板金のつなぎ目、ジョイント部分のハゼの嵌合状態や屋根面との隙間を確かめましょう。隙間については、必ずしも隙間があってはいけないわけではなく、隙間から浸入した雨水が排出される構造になっているかを施工業者に説明してもらいます。

コーキングで埋めてあるかないかより、排水できるかどうかのほうが大切です。またそのうえで、施工した部分をひと通り写真を撮っておくことをおススメします。また、もし不具合が発生した際のために保証という制度もあります。屋根関係の保証は一般的にいって、大きく3つにわかれます。

施工保証

施工保証は、工事の受注業者が定めた保証です。
施工保証は「屋根を葺く作業」という工事施工内容に対して保証をするものですので、一般的に部分的な修理・交換工事では施工保証の対象になることは少ないでしょう。

メーカー保証

メーカー保証は、屋根材を製造したメーカーが定めた保証です。メーカー保証は、施工保証とは違い、使用されている屋根材の仕様・性能を保証対象としています。基本的に屋根材を対象としているため、部分的な修理・交換工事では施工保証の対象になることは少ないでしょう。

法的な保証

修理・交換工事ではリフォーム工事と見做されるため民法で1年間の保証期間が定められています。
ただし、棟板金の交換工事で1年以内に金具や下地が腐食することは考えにくく、不具合の発生は台風や強風などによる浸水や飛散の可能性のほうが高いと言えます。
その場合は、保証ではなく保険の対象になります。
新築時の屋根の場合、10年間の瑕疵担保責任が法律で定められています。
建物の新築時が対象なので、棟板金の交換工事では対象から外れ、瑕疵担保責任は適用されません。

※火災保険や共済の利用解説はこちら

 

棟板金(むねばんきん)交換工事時の近隣挨拶について(必要か不必要か?音がうるさいなど)

 

棟板金(むねばんきん)交換工事時は、一般的には近隣挨拶の必要はないケースがほとんどです。
日数も短期間ですし、解体作業や音の出る作業も限定的です。
ただし、足場をかける場合、足場が一時的に隣地へ越境するか、ギリギリまで迫る場合などは一声かけておくのが望ましいでしょう。

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